《ストップ・ザDV・フォーラムの活動》
心理相談機関“メンタルサービスセンター”は1990年に設立されましたが、1990年代後半に至り、活動の大きな転換をはかりました。DV(ドメスティック・バイオレンス)・性暴力・成人した虐待被害者の後遺症・PTSDのケアの問題に積極的に対応するようになり、そのためのノウハウを蓄積してきました。
電話相談やカウンセリングで、虐待やDV被害者の声を丹念に聴くことを通して、目に余る悲惨な実態を知ることとなり、「心理臨床に携わる専門家として、暴力や虐待のような理不尽な事態を少しでもなくしたい」と決意するに至ったのです。
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私たちは、心から虐待・暴力をなくしたいと思っているでしょうか? 総論は賛成でも、私たちが“当たり前”と思っている価値観に、知らないうちに差別的な側面が入り込んでいて、被害者の気持ちを落胆させる結果をもたらすことに気づこうとしているでしょうか?
虐待・暴力をなくそうとする目的こそが、大切です。そのために、私たち自身が問われることがあってもOKである、というチャレンジ精神を持っていきましょう。
〓NO DOMESTIC VIOLENCE!!〓
当相談機関は、従来諦められてきたに等しい「DV加害者更生プログラムの研究と実践」という分野に、日本で最も早く着手しました。そして、他の追随を許さない方法論を蓄積しており、その活動はマスコミや著作を通じて多く社会に伝えてきました。さらに、当相談機関は、当事者に対するプログラムを地道に発展させるだけでなく、多くの人々が暴力問題に向き合う力をつけること、すなわち啓発のために、様々なアイデアを生み出しています。
以上のような活動部門を《ストップ・ザ・DVフォーラム》との総称しています。
●私たちは、被害者が公正にケアを受け、社会的に支援されることを推し進めます。
●私たちは、加害者が過ちを認め、これ以上周囲の人を苦しめることがないように変化することを、推進します。
●私たちは、
「加害者が過ちを認め、自らの言動・振る舞いを変えるのが当然で、
そのような生き方をしない加害者は恥ずべきことだ」
との社会的合意の確立を、推進していきます。
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私たちの身近には、子ども虐待・いじめ・DV・セクシャルハラスメント・性暴力など、驚くほど“見えにくい暴力”で満ちています。このような理不尽な事態をなくすためには、カウンセリングルームの外に出て、社会に蔓延する無理解や差別をなくし、被害者が正当に扱われ、加害者の責任が厳正に問われる制度の構築が不可欠と考えています。そして、その目的のために臨床家の立場を生かしたソーシャル・アクションを展開してきました。
この活動を発展させていくために、多くの方の協力を必要としています。持っている力をつなげて、ネットワーク作りをしていくことも歓迎します。この世から少しでも虐待・暴力をなくしたいと願う方は、ぜひ活動に参画して下さることを希望します。
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【ストップ・ザ・DVフォーラムの活動の広がり】
平和は家庭から・・・あらゆる暴力問題の克服
●多様なソーシャル・アクション(公益的な対社会的活動)の展開:⇒〔実績〕
(1)DV法改正の意見交換会の参加
(2)法改正へ向けて議員へのロビイング
(3)法改正へ向けて請願署名運動の展開
(4)国連NGOレポート作成への参画
(5)内閣府・自治体のパブリックコメントの執筆
(6)音楽によるDV問題啓発
→作曲家・野村誠氏による“非暴力を伝えるピアノ曲"の演奏
(7)自治体からのDV施策助言依頼に対応
●虐待、いじめ、セクハラ、性暴力、戦時性暴力問題→講演・執筆活動
徹底して当事者の側に立った被害者支援
●DV被害者支援活動
(1)被害者の電話相談
(2)面接相談
(3)自助グループの実施(月2回の例会を実施)
(4)裁判支援
●DV被害者支援スキルアップ研修会の実施(毎年1・8月に開催・土日の2日間)
●ストップ・ザ・DV研究会の開催
被害者も納得できるDV加害者更生プログラムの開発と実施,加害者啓発
●DV加害者更生プログラムの実施
(1)個人心理療法
(2)加害者自助グループ(月2回の例会を実施)
(3)DV克服ワークショップ(3ケ月に一度・土日の2日間で実施)
●DV加害者心理療法研修会の実施(不定期開催・土日の2日間)
●加害者向けDV啓発小冊子の配布
海外とのネットワークを形成
●国内で開催される国際学会、及び海外の学術集会での発表
●海外の研修ツアーを通じて、各国のNGOとの交流
☆☆私たちは,プロとして常に工夫と研鑽を怠りません.☆☆
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■ 被害者へのメッセージ⇒
「あなたの感じている苦痛・怒りは、正当な感覚によるものです。それは、安全で健康に生きたいという切実な内側の声から来ています。ひどい現実や苦痛は耐え忍ぶものでなく、専門的ケアや助言を受けるに値するものです。あなたには自分の尊厳を守って生きる権利があるのです。」
■ 加害者へのメッセージ⇒
「あなたが苦痛を与えた相手の本当の痛みを、ぜひ知って下さい。それはしんどいけれども人間として大切な作業です。逃避や自己弁護をする習慣を乗り越え、徹底して振舞いを変えるための専門的プログラムを受けることが必要です。
それ以外に、相手の心の平安の可能性と、あなたの真に納得する生き方はないのです。」